遺伝子を残したいって何なの?

遺伝子を残したいという思考は本能ではない。
遺伝子が発見されたのはたかだか150年前である。それ以前に遺伝子を残したいと思っていた人間はいなかった。
個体は遺伝子の乗り物で、遺伝子は利己的に自分を複製したがっているという言い方があるが、これは比喩である。遺伝子は人間ではないので思考はしない。
遺伝子を残すべきだというのは後天的なひとつのイデオロギーで、本能から来る自然なことではない。残すべきだと主張する人は、根拠を自問してみるべきだろう。