圧縮効果は画角か撮影距離か

「圧縮効果は撮影距離によって生じる」という主張と「圧縮効果は画角によって生じる」という主張がある。
これはなぜか。
これは2つの別々の命題を念頭においているからだと考えた。
「ある被写体の撮影倍率(=大きさ)を固定すると、背景の撮影倍率は撮影距離が長いほど、あるいは画角が小さいほど大きくなる(前景は逆)」
「画角が標準的な人間の視野角よりも小さい場合、撮影された写真は『現実よりも』奥行きがなく、間隔が詰まっているように『見える』」
前者は2つの撮影条件を比較する(あるいは連続的に変化させる)という状況で、後者は写真を見るという状況だ。
前者の補足。
撮影倍率を固定した場合、撮影距離と画角は片方を変えるともう片方が連動して変わる関係になる。(自由度が1減る)
撮影距離が変わるので背景の撮影倍率が変わると説明されるが、この状況では画角を変えても撮影倍率は変わるので、どちらを原因と考えてもよい。
後者の補足。
この錯覚がなぜ起こるかというと、写真を見たときに人間の標準的な視野角を想像するからだ。
本当は画角が狭いのに、脳内で広げると(奥行き方向に垂直な面について拡大)、相対的に奥行き方向には縮む。
双眼鏡を覗くと、ものが近くにあるように感じるのと同じことである。
結論、圧縮効果を起こすのは何か。
前者の話をしているのであれば「撮影距離または画角(どちらも同じこと)」、後者の話をしているのであれば「画角」となる。

追記
命題「2つのものの撮影倍率の比は、撮影距離を長くするほど1に近づく(撮影倍率は撮影距離に反比例するので)」も入れると3つ。これは撮影距離のみの効果。めんどくさい。。

参考
https://togetter.com/li/1143653
http://photo-studio9.com/compression-effect/
https://papacame.com/perspective-and-compression-effect