死の後味

死ぬ時には幸せに死にたいとなんとなく思っていた。
大往生したい。孤独死したくない。
人生の前半が幸福で、人生の後半が不幸。
人生の前半が不幸で、人生の後半が幸福。
後者の方がよいとなんとなく思っていた。
しかしこれは本当だろうか?
「終わりよければすべてよし」という。
なぜ終わりが重要かというと、後から思い出した時に印象が強いためだ。
期間の終わりが幸福だと、期間について幸福だと思えるのだ。
自分の人生の終わりについてはこれはあてはまらない。
なぜなら死を思い出すことはできないからだ。
食事の後味をよくするために、最後においしいものを残しておくのとは違うのだ。